アルギニンって何だろう?

〜薬剤師~富山 穣〜

最近「アルギニン」を含んだ栄養食品、スポーツ飲料、サプリメント、シャンプーや化粧品にまで入っているのをよく見かけます。

ではアルギニンとは何なのか、どのような効果が期待できるのでしょうか?

★アルギニンとは?

アルギニンはアミノ酸の一つです。
体内でも合成されるため、非必須アミノ酸に分類されます。

しかし、乳幼児や成長期の子供、大きなケガや手術後など体力消耗が激しいときは十分に合成できないことがあります。

また、年齢を重ねると共に体内での合成量が減るため、大人でも十分摂ることがすすめられています。

どんな効果・効能なのだろう?

  • 成長ホルモンの合成を促進=脂肪の代謝を促して筋肉組織を強化したり、身長の伸びにつながります。
    大人ではアルギニンは十分量作られ、成長ホルモンは成長期の10代で最も多く分泌され、加齢とともに減少し40代では約半分まで低下すると言われています。
  • 免疫力向上=体内で一酸化窒素の産生を高めて、細菌やウィルスに対する抵抗力を高める働きや体内で発生するがん細胞を攻撃する働きがあります。
    また、傷の修復を早めたり、肌の健康維持を助けたり、血流を改善することで精子の量や運動性を上げる効果も期待されています。
  • 疲労回復=他のアミノ酸とともにTCA回路(エネルギー代謝システム)でエネルギーを効率よく生み出し疲労回復を早めます。
    また、他のアミノ酸とともに肝臓内の尿素回路の働きを高めて、脳疲労の回復も早めます。
  • 角質層の天然保湿因子の約40%がアミノ酸で、その一つとして保湿効果も期待されます。

★アルギニンの摂取がおすすめの人は!!

アルギニンの摂取は成長ホルモンの分泌促進や疲労回復、免疫力向上に対して効果を示しますので、以下のような人におすすめです。

活力をアップしたい男性

身長を伸ばしたい人

免疫力をつけたい人

ケガや術後の栄養が必要な人

運動のパフォーマンスをあげたい人!!

★アルギニンの摂取目安

厚生労働省で摂取量は正確に決められていませんが、アルギニンが効果的に働くには1日に2000~4000mg以上の摂取が必要だと言われています。また炎症や褥瘡などの創傷がある場合は、約5000~7000mgが目安とされています。

★アルギニンが多く含まれるものと摂取期間

アルギニンは鶏肉、大豆、エビ、マグロに多く含まれています。しかし、アルギニンだけを重点的に摂取しようとすると、エネルギー量が増えてしまいます。栄養が偏ると運動パフォーマンスなどは著しく低下します。サプリメントや栄養ドリンクなどを上手に使うようにしましょう。

3~4週間継続して摂取し、体調の変化をみながら増量または減量するか判断しましょう。

★効果的なタイミングと時間帯、回数

就寝前の空腹時に摂るのが効果的です。

成長ホルモンが最も分泌されるのが就寝中であり、このタイミングに合わせると分泌量を増やせるためです。

運動能力アップのためには、筋力トレーニング前後に摂ることで筋肉アップを助けると言われています。

★アルギニンの安全性と注意点

食品で摂取するアルギニンは天然のアミノ酸のため、摂取できる分量での危害の心配はないと考えられますが、サプリメントや栄養ドリンクで補助する場合は過剰摂取に気に気を付けましょう。

アレルギー体質の子供は、過剰に摂取すると症状を悪化させる危険性があります。

大人でも、過剰摂取により消化器官に影響を及ぼし、胃痛や下痢を起こす可能性があるため注意が必要です。

また、特定のアミノ酸だけを過剰摂取すると、逆に体はアミノ酸を相対的に欠乏している状態を引き起こし、アミノ酸の効果が低下してしまいます。

★アルギニンについてわかっていただけましたか?

アルギニンは成長ホルモンの分泌を高めるアミノ酸です。疲労回復や活力アップ、子供の身長を伸ばすのを助けてくれたり、子供の成長を助けてくれます。

体内でも合成されるアミノ酸ですが、生活習慣に合わせてサプリメントで補うなどし、毎日しっかり補給することで健康維持、増進に役立ちます。

単体の成分だけを過剰に摂取するより、栄養素は他の成分と組み合わせることで、相乗的に効果を発揮することも忘れないでください。