OTCトピックス:フッ化物洗口剤による虫歯予防

虫歯は、糖質の入った食品の摂取により歯垢中の口腔細菌が酸を産生し、歯の硬組織が脱灰(酸によって、歯のエナメル質が溶かされる現象)することで起こる疾患です。虫歯予防の方法としては、う蝕(虫歯)の前駆状態である歯の表面の脱灰に対して、フッ素化物イオンが再灰化(唾液の作用により、酸が中和されて歯の表面が元に戻る現象)を促進することから、フッ化物の応用が効果的とされています。フッ化物を用いて行う、う蝕予防を目的としたフッ化物応用法には、フッ化物洗口法やフッ化物配合歯磨き粉の使用、フッ素スプレー、フッ化物歯面塗布法などがあります。なかでもフッ化物洗口法は、とくに4 歳から 14 歳までの期間に実施することでう蝕予防対策として大きな効果をもたらすことが示されています。また、成人の歯と歯茎の境目のう蝕や根面う蝕の予防効果もあり、安全性が高く公衆衛生的特性に優れた方法とされています。

これまでは、歯科医師により処方されていた医療用医薬品のフッ化物洗口剤のみ承認されていましたが、最近では一般用医薬品としてフッ化物洗口剤が販売されるようになり、薬局・店舗の薬剤師による適正な情報提供に基づき販売する事が出来るようになりました。

一般用医薬品

商品名(会社名) 成分 効果 対象年齢 包装/希望小売価格(税別)
エフコート
(サンスター)
1mL中
フッ化ナトリウム
0.5mg
むし歯の予防 4歳以上
通常4~5歳で5mL、
6歳以上で7~10mLです。
250ml/本
1,500円
クリニカ
フッ素メディカルコート
(ライオン)
1mL中
フッ化ナトリウム
0.5mg
むし歯の予防 4歳以上
通常4~5歳で5mL、
6歳以上で7~10mLです。
250ml/本
980円
フッ化物(フッ素)Q&A(長崎県ホームページより抜粋)

Q.フッ化物とはどのようなものですか?

A.フッ化物は自然の中に広く分布している元素の1つです。地殻にある約90の元素中、多い方から13番目で豊富に含まれています。フッ化物は、元素単独では存在せず、螢石、水晶石、リン鉱石、などとして存在します。地中はもとより海水、河川水、植物、動物などすべてに微量ながら含まれており、私たちが食べたり飲んだりするものの中にも、量は異なるものの、必ずといっていいほど含まれています。また、フッ化物は私たちの日常生活のなかでも工業製品の一部として、さまざまな形で役に立っています。これらの工業製品の一部としての物質はフッ化物を含んだ有機化合物であり、むし歯予防に用いられるフッ化ナトリウムなどのフッ化物化合物とは、全く性質が異なります。

Q.フッ化物はどうしてむし歯予防に有効なのですか。

A.フッ化物がむし歯予防に有効な理由として、次のようなはたらきがあるからです。

(1)歯の構造を強くする。(歯質の改善)
フッ化物が歯の一番表層のエナメル質に作用し、エナメル質の結晶構造を改善します。

エナメル質の構造はハイドロキシアパタイトという結晶構造でできています。この結晶は、むし歯菌が産出する酸に対して脆く、溶けてしまいます。(脱灰)フッ化物が作用すると、ハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトという極めて酸に対して溶けにくい結晶構造となり、歯の表面が丈夫になります。

(2)歯の表面を修復する。(再石灰化)
むし歯になりかかった(カルシウムが溶けだすこと)エナメル質に作用し、その部分に再びカルシウム等が沈着して歯の表面を修復します。(再石灰化)この修復はフッ素が歯の表面にたくさんあると(歯の表面の濃度が高くなると)唾液中のカルシウム等を取り込む作用が働き、再石灰化が進行します。また、再石灰化が進行するので脱灰するのが抑制されます。

(3)その他のフッ化物のはたらき
フッ化物は歯質を強くしたり、修復したりする作用以外にもむし歯菌の酸を産生するのを抑制したり、歯垢(細菌の塊)の形成を抑制する働きがあります。