【質 問】わたしは22才になる女性です。アルバイトをしているお店が寒くてすぐに持病の喘息が出てしまいます。小さい頃よりアトピー性皮膚炎と喘息に悩まされていました。熱はあまり出ませんが、寒さを感じると透明な鼻水が出て、体がだるくなります。2、3日すると咳が出て透明な痰がやがて黄色くなって息苦しくなり、ぜいぜいし始めます。来年には結婚する予定なので体を丈夫にしておきたいのです。
【答 え】

中医学には、風邪を症状によって六つに分類した六経弁証という物差しがあります。その五番目の少陰病という分類の中には、いつも寝たい、胸苦しい、激しい悪寒を伴う、時に下痢をともなうなどは四逆湯(しぎゃくとう)とあります。この症状に加えて、節々が痛むものには、附子湯(ぶしとう)を使い、全身のだるさをともない、時に腹痛と下痢があるものには真武湯(しんぶとう)を服用します。吐き気と下痢があり、頭痛し、手足が冷えて温まらないものには呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、皮膚がひりついたり、のどの痛みをともなうものには麻黄附細辛湯(まおうぶしさいしんとう)等を使います。

この女性は普段より冷えやすく、手足も冷たい体質でしたので、血行を良くし、体を温め、風邪を予防し、体を丈夫にする上薬、大蒜の製剤を日常から服用していただきました。これに加えて、真武湯を服用してもらい2週間もすると、凄く元気になりましたとお礼を言いに来られました。現在、真武湯はたまに服用するだけで、元気に上薬だけを服用し、身体を丈夫にしています。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。