【質 問】48歳の男性です。今まで何回も水虫になりましたが、特にここ3年はひどく、ストレスもあり、不規則な生活が続いて疲れも取れにくくなっています。足を良く洗い、軟こうを塗っていますが一向に治る気配がありません。漢方薬で治療の方法はあるのですか。
【答 え】

ジメジメした環境で健康に悪いものといえばカビである。カビは20度から30度の温度がもっとも繁殖しやすい。さらに、湿気が80%を超えると猛烈な勢いで増殖する。漢方には外湿と内湿いう概念がある。外湿とカビは同義ではないが、カビによる健康被害は外湿に関連するものであろう。

彼の場合、足の裏や側面に水ほうが無数にできてかゆがり、やがて指の間が湿潤し白くふやけてくるタイプ。手足がいつも火照り、寝不足で火照りとイライラがひどくなり水虫は悪化する。ビールを飲み過ぎると悪化する。これは体内の水分代謝に異常を起こす、内湿によるものである。

この人は、内湿が外湿を呼び込み水虫を悪化させた一つの例である。火照りをさまして腎の疲れをとり、水分代謝を改善する「知柏地黄丸・ちばくじおうがん」を服用。2週間後には足の水ほうが消えてかゆみが少なくなり、軟こうを塗るのを忘れるようになった。3カ月くらいすると疲れも取れ、血圧も下がって元気になったと喜んでいた。


『漢方の相談室』一覧へもどる次へ

※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。