【質 問】毎年しもやけで悩んでいる35歳の女性です。もともと冷え症・低血圧で新年を迎える頃から、赤く腫れ温まるとかゆくてしかたありません。今年はいつもより寒く、12月よりしもやけになってしまいました。例年では2月頃より赤紫になり痛みを覚えます。しかし今年はもう痛みだしました。
【答 え】

気象庁の発表によると、昨年12月の東日本と西日本の平均気温は観測史上、最低を記録したという。

しもやけの代表的な処方に「当帰四逆呉茱萸生姜湯・とうきしぎゃくごしゅゆしょうきょうとう」がある。この処方は、なり始めに服用すると良く効く。しかし2〜3日経過したものには利きが悪く、治癒に時間がかかる。

この漢方薬は、四肢末端の経絡上に侵入した冷えを改善する薬である。この女性のように赤紫になり痛みを覚えるものは、血液の滞り、つまり「瘀血・おけつ」を二次的に発生している。この瘀血が発生したものには「血府瘀逐湯・けっぷちくおうとう」をさらに加えると治りが早い。

この女性は年末に来店し、新年早々にも来られた。寒さがひときわ厳しいのに大変調子がよく、春まで続けてみたいという。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。