【質 問】1年中、目に異物感があり、スギ花粉が吹き始めると目のかゆみが悪化し、目を取り出して洗いたくなる衝動にかられます。さらに、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが加わり、息をするだけで精一杯で仕事どころではありません。今年は花粉が飛ぶ時期が遅く、量も少ないはずですが1週間前より目のかゆみがひどくなり始めています。
【答 え】

アレルギー体質の人は、スギ花粉が多かろうが、少なかろうが、反応は一人歩きし、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが5月の連休まで続く人がほとんどである。この28歳の女性は、1年中目に炎症をかかえており、この時期はよほどつらいのではなかろうか。

彼女は疲れやすく、疲れると動悸(き)が始まり、息苦しくなってじわりと汗ばむという。身体が弱く、普段から軟便で貧血ぎみ、エビを食べるとじんましんを起こす。体が急に重だるくなり、足の力が抜けてくると顔色が真っ青になり、意識が遠のき倒れてしまう。電車の中で起きることが多いが、最近では銀行で倒れてしまった。

病院では貧血ではないと言われている。彼女には体質改善薬として、脾の気を補ない陰分補う「生脈散・しょうみゃくさん」を通年服用してもらい、この時期には、外感風邪を治す「桂麻各半湯・けいまかくはんとう」をのんでもらうことにした。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。