【質 問】私は62歳になる男性です。若い時から腰痛持ちですが、思えば毎年この時期になると、足が棒のように重だるくなり、腰痛が悪化します。オフィスの冷房は高めに設定され、動くとちょっと汗ばむくらい。ただし、じっとコンピューターに向かっていると下半身が寒々としてきます。朝は足が少しむくみ、寝汗を毎日にかくようになります。
【答 え】

この男性は、いすにじっと座っていると腰が苦しくなり、置き所がなくなる。ひじ掛けを利用し、腰を上げると少し楽になるそうである。小便は近い方だが今はそれほどでもない。朝、靴下をはくとき、手で足を引き寄せて悪戦苦闘してはくそうである。今回の冷房による腰痛には、腎を温め水分の停滞を改善する「真武湯・しんぶとう」と、経絡に停滞した寒邪と湿邪を追い払う「苓姜朮甘湯・りょうきょうじゅつかんとう」とを合わせて服用して頂いた。1週間後にはだいぶ楽になり、いつもの腰の調子を取り戻したという。

しかし、若いときからの腰痛を取り除くために気と血を補い、寒邪と湿邪を取り除く「独活寄生湯・どっかつきせいとう」と、腎を温め長生きに必要な高貴薬の「鹿茸・ろくじょう」の製剤を2つ合わせて現在服用中である。若いときからの腰痛を治すには、長期決戦になるとに意欲を燃やしていた。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。