【質 問】私は44歳の女性で、7月から歯が痛くなり、この夏ずっと歯医者に通っていました。神経が出てしまい、食事ができませんでした。そのためか夏中元気がなく、身体の重だるさが続きました。抗生物質と鎮痛剤を1カ月以上続けています。
【答 え】

昼間は30度を超えても、朝晩は20度前後に気温が下がり、湿度も低い季節になりました。胃腸が強く、夏の間も食欲が落ちない人は夏バテもありません。まさしく「天高く馬肥ゆる秋」を満喫することができます。食欲の秋に、夏の疲れの残りかすをきれいに大掃除して、身体をリフレッシュできれば冬の寒さや風邪、インフルエンザ、その他のウィルスに対応できる体力を作り上げることができます。その方達は反対にメタボリックシンドロームが心配になります。

ところが、この女性と同様に食事が取れず、冷たい水ばかり飲んで胃液を薄め、朝食を抜き、めん類や流動食ばかり食べていた人は夏バテを引き起こします。気が不足し、体力が一段と低下します。やがて、食欲も回復しないまま冬に対しての体力・抵抗力の蓄積ができません。すると風邪をひき、ズルズルと体調の悪さを引きずってしまい、一年中調子が悪い状態が続きます。脾の気を補い胃腸の働きを改善する「参苓白朮散・じんりょうびゃくじゅつさん」が良いでしょう。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。