【質 問】私は26歳の看護師です。生まれたときから手足が黄色く、ミカンの食べ過ぎでしょう、といわれてきました。看護師になったばかりのころ、改めて血液検査のヘマトクリット値が低いことに気付きました。生理も不規則で、生理後や寝不足後、疲れたとき、夜勤明けは黄色みがひどくなります。最近、多忙で神経もつかい、胃潰瘍(かいよう)と十二指腸潰瘍になってしまいました。生理不順も悪化し、ますます黄色みが激しくなっています。
【答 え】

手足が黄色いと必然的に顔も全身も黄色みを帯びてくる。漢方では主に3つの原因で始まる。第1は脾胃の活力が低下したときである。第2に脾の気が不足し、湿気に侵されたとき。最後に血の生成不足や、血の消耗で栄養が不足したときである。

現代医学では黄疸(だん)を心配するが、そうでなければ放置されることが多い。この女性の場合は生まれつき脾胃の活動が不足しがちで、胃潰瘍と十二指腸潰瘍による出血で血が消耗し、栄養が不足したため黄色みがひどくなったのである。

脾胃の気を補う「参苓白朮散・じんりょうびゃくじゅつさん」と血を補う「当帰補血湯・とうきほけつとう」を併せて服用してもらった。3カ月後に黄色みが少なくなり、生理も以前より順調で、半年でヘマトクリット値も正常になった。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。