【質 問】最初に膀胱(ぼうこう)炎になったのは昭和55年、満50歳の時でした。それから2年後に再びなり、以後、発症する間隔がだんだん短くなってきました。今では1年のうちで膀胱炎になっている期間の方が長いような気がします。当初から病院に行っているものの菌は検出されず、膀胱鏡で診てもまったく問題なくきれいだと言われ、神経内科を紹介されました。神経内科のお薬を服用しても一向によくなる気配がありません。何かよい漢方薬がありますか。
【答 え】

暖冬にもかかわらず、寒暖の差が激しい今年は膀胱炎の相談はことのほか多い。菌が検出される場合も症状は繰り返すが、今年で77歳になるこの女性のように、無菌性膀胱炎も症状は繰り返し起こる。

詳しく聞いてみると、尿色は透明で量は変わらないが、頻尿で夜間尿が増えてきたという。膀胱部分の重だるさと排尿痛があり、疲れたとき冷えたときに悪化し、そうでないときも夕方からこのような症状が発現するという。

この人には中気、すなわち内臓の気の不足を補い、膀胱の圧迫を改善する「医王湯・いおうとう」と、腎臓を温め気のめぐりを補う「金貴腎気丸・きんきじんきがん」を服用してもらった。1カ月服用すると症状はほとんど消え、現在予防として回数を減らして服用中。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。