40歳男性は、風邪をひいて、40日が経ち、鼻声も長い間続きました。咳もいつまでたっても止まりません。咳は始終出ていて、時に強く咳き込みます。鼻の調子もいまだに悪く、朝方にはよくかんでいます。痰ははじめは黄色でしたが、あまり出なくなってきていて、わずかに出る痰は切れが悪いといいます。

そこで「養陰性肺湯(よういんせいはいとう)」を5日間服用していただきました。すると、あのしつこい咳が、日に日に治まってきたとのこと。念のためにもう5日分お渡ししました。この薬は本来ジフテリアに使う漢方薬ですが、ひどい気管支炎、慢性的に咳や痰が絡む方、たばこを吸う方、のどの痛みや、のどや鼻が乾き、声がかれる方など、肺に熱がこもっている人全般に使用できます。咳の漢方薬はたくさんの種類があるので、体質に合わせて、調合してもらいましょう。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。