2013.4.10

〜薬剤師 美濃口 豊〜

新薬が出るたびに改良されていく抗ヒスタミン薬の中で、「しっかり効いて、眠くなりにくい、口が渇きにくい」第2世代の抗ヒスタミン薬であるアレグラFXが、平成24年11月から、スイッチOTCとして、市販薬として発売されました。

第1類医薬品であるアレグラFXをお求めいただく際には、薬剤師に相談の上、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。

特 徴

1. しっかり効く

第2世代の抗ヒスタミン薬は、アレルギーの原因となる物質(ヒスタミンなど)の放出を抑制する「抗アレルギー作用」、炎症細胞の影響を抑制する「抗炎症作用」、放出されたヒスタミンの作用を抑制する「抗ヒスタミン作用」の三本の矢(作用)によって、しっかり効きます。

2. 眠くなりにくい

抗ヒスタミン薬で気をつけたいのは、眠気は自覚しやすいですが、知らないうちに集中力や判断力、作業能率が低下する「気付きにくい能力ダウン(インペアード・パフォーマンス)」を起こして、認知機能、自動車の運転や学習能力に影響が出てしまうことです。

「インペアード・パフォーマンス」の可能性のある鼻炎薬は、眠気以外でも集中力・判断力の低下が起きますので「乗り物又は機械類の運転操作をしないこと」とされています。

3. 口が渇きにくい

第1世代の抗ヒスタミン薬を服用すると、だ液の分泌が少なくなって、口が渇くことがありますが、第2世代の抗ヒスタミン薬は、だ液分泌への影響が少ないことが特徴です。

第一世代の抗ヒスタミン薬と第2世代の抗ヒスタミン薬の違いは?:
 OTCトピックス:アレジオン10が、第一類医薬品として発売されました。

薬剤師の視点

1. 医療用より安価

14錠包装(希望小売価格1380円税込)と28錠包装(希望小売価格1980円税込)の2種類がありますが、14錠では少し医療用アレグラの薬価より割高ですが、28錠包装のものは、薬価よりも安価です。医療機関で処方箋をもらい薬局で調剤してもらうのと、アレグラFXの28錠包装は、ほぼ同額(3割負担)です。

2. 医療用と同成分・同用量

平成23年に抗ヒスタミン薬のアレジオンもスイッチOTCとして発売されましたが、処方薬としてのアレジオンは通常成人量では20mg/日のところ、OTCのアレジオンは成人量が10mg/日に減らされました。今回のアレグラFXは、処方薬と同じ用法用量での発売です。

3. 効能・効果が違う

アレグラはアレルギー性鼻炎のほかに、皮膚掻痒などの皮膚疾患にも適応がありましたが、 アレグラFXは、アレルギー性鼻炎にしか適応がありません。

参考資料 久光製薬HP