〜薬剤師 今井 孝浩〜

◎白癬の種類

感染部位によって水虫・インキンタムシ・ゼニタムシ・他に爪白癬・手白癬と呼ばれます。
足白癬は最もよくみられるものです。

○足白癬

  • 趾間びらん型:趾間、特に第4趾間に好発、初めは趾間の紅班と小水泡で始まり徐々に鱗屑リンセツ(角質が肥厚し剥離したもの)汗で湿潤びらんを形成して周辺が白くなる。
  • 小水泡型:特に土踏まず、足の指の付け根、足底縁に好発、小水泡が多発・乾燥しリンセツ形成。梅雨時に悪化し秋に軽快することが多い。
  • 角化型:足底・踵部に好発全体的に厚く硬く角化、皮膚表面が荒れる。

○爪白癬:足白癬からの感染で起こることが多く爪の先端から白く濁り、徐々に爪母がわに進行肥厚したり爪が弱く脆くなる。

○体部白癬:ゼニタムシと呼ばれ体幹四肢に赤い小丘疹出来拡大していく中央部は軽度の色素沈着を残して軽快しながら周囲に広がる。

○股部白癬:インキンタムシと言われ成人男性に好発多くは足白癬を合併、体部白癬とおねじ環状紅班を形成。

◎水虫の原因と発症メカニズム

白癬菌はケラチンを栄養源とし、皮膚の角質層、爪、毛包に寄生して病変を生じます。

感染は人から人・動物から人・土壌から人で起こり、水虫に感染すると角質層中の白癬菌がケラチンを溶かしその時できた代謝物痒みを引き起こし痒みのが続いて炎症が起こり水泡が出来たりします。掻くことで皮膚がむけ悪化します。感染部位の深さで浅在性白癬と深在性白癬菌に分けられ、一般的な水虫は角質・爪・毛包に寄生した浅在性白癬です。

白癬菌はケラチンという蛋白を栄養源に生きているカビですので、ケラチンが多く存在する場所であればどこにでも感染します。ケラチンが多く存在する場所は皮膚の表面を覆う角層(垢となって落ちる場所)ですので、白癬は皮膚の表面に病変を作ります。粘膜にはケラチンが余りありませんので、口の中が白癬になることはありません。また角層が変化したものが、毛や爪ですので、毛や爪に白癬菌が感染することもあります。

この白癬菌、日本では10種類ほどの白癬菌が病変の原因となりますが、水虫を起こすのは主に2種類です