【質 問】漢方薬は、どのような病気の人が服用しているのですか?
【答 え】

当店に来店される患者さんの西洋医学の病名を列記してみよう。アレルギー疾患では現代病の花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支ぜん息、慢性じん麻疹などが多い。一般的には、ぜん息発作時は一瞬のたんのつまりが命取りになることもあり、発作時には病院の治療が必要であるが、体質改善には漢方が第1選択になる。

腰痛症、神経痛のたぐい、関節症、五十肩、肩こり。これらは現代医学では対象療法か、外科手術が治療の主流である。神経の流れを改善し、左右の筋肉の強弱を調整する能力をつけるために、漢方はすばらしい働きをする。

高血圧、動脈硬化、脳出血後の後遺症、不整脈、心筋こうそく、狭心症など脳血管疾患には、血液そのものの浄化が必要である。糖尿病もこのたぐいだ。現在、これらは生活習慣病と呼ばれ、適切な漢方薬を長期間服用することにより改善が可能である。

自律神経失調症、不眠症、過敏性大腸炎、胃炎、胃かいよう、心臓神経症、円形脱毛症などは、交感神経と副交感神経のバランスを調整することが改善のカギである。漢方療法はすばらしい効き目を現す。身体を長期間、故障のないように使うためには、日常のお手入れが必要ではないだろうか。(つづく)


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。