【質 問】アガリクス茸は癌(がん)に効くのでしょうか
【答 え】

癌細胞は1日6000個生まれているといわれるが、早期発見されたときはには、すでに10億個くらいになっているそうだ。なぜ我々は癌にならないのだろうか。それは癌免疫機構の働きによってである。この西洋の考え方は東洋医学で言う未病を治すという考え方である。品行方正な生活を営んでいればよいのであるが、日常はそうはいかない。食べ過ぎ・飲み過ぎ・肥満・たばこ・運動不足・運動過多・ストレス・寝不足・疲労など私たちの日々の暮らしで、この因子に抵抗していくことはなかなか難しいのが現状である。

ところが近年、アガリクス茸が免疫力を活性化すると注目を集めている。アガリクス茸は癌細胞を直接攻撃するのではなく、癌免疫機構を活性化することにより癌細胞が消えていくのである。その物質はβ—グルカンというたんぱく多糖体である。アガリクス茸により、見事癌との闘いから生還した方もいる。ところが残念ながら、免疫活性が間に合わない方もいる。β—グルカンの解析はマイタケ・菌核菌・雷丸、オオチャワンタケ・カンジタ・霊芝・ハナビラタケなどに及んでいる。キノコに癌免疫活性作用があることは、漢方薬としての茸によって昔からよく知られていたが、β—グルカンの究明は20世紀に入ってからである。


『漢方の相談室』一覧へ『癌との闘い』一覧へもどる次へ

※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。