【質 問】肺癌(がん)と医者から診断され手術するように言われました。しかし、手術は絶対にしたくありません。癌と上手に付き合えるものはありませんか。
【答 え】

この相談を受けたのは今から8年前で当時このN・Tさんは67歳であった。1年ほど前から息切れがし、階段を上り終わると軽い空咳がでる。風邪を引きやすく頭痛、目の奥の痛みと微熱がとれない。イスを見るとすぐ座るようになり、汗をかき、疲れやすくなった。最近食が細く、食欲にムラが出てきた。胸のあたりがもやもやする時がある。20年来、降圧剤を含め6種類の薬を服用しているので、高血圧のせいかと思っていたという。

気の不足を補う「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」と肺を潤し腎を強化する「八仙長寿丸(はっせんちょうじゅがん)」、癌免疫能を活性化するハナビラタケと万年茸エキス、そして陰陽のバランスを整え身体の枯れを防ぐ「開豊瓊玉膏(かいほうけいぎょくこう)」を服用して頂いた。

3年くらいたったころ、肺の3分の1を犯している癌細胞はほとんど大きくなっていないとのこと。現在75歳を迎え船旅が好きな彼女は、これが最後と3カ月間、辻堂の地を離れていく。昨年末にも、今度は半年間いなくなるからと、漢方薬を6カ月分購入し、元気に4回目の世界旅行に旅立っていった。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。