【質 問】55歳の女性です。仕事のほかに母の看病で大変忙しく、今年に入って風邪を引きました。治った途端、2月の氷雨の降る夕方バス停で、でん部の左側からひざの後ろにかけてピリッと痛みが走りました。忙しい毎日が続いて1カ月後激痛になり、腰が曲がってひざをまっすぐ伸ばせなくなりました。左ひざの側面から足首にかけてびりびり痛み、足裏もはれて痛みます。このまま歩けなくなってしまうのでしょうか。
【答 え】

左足全体が冷たく、重苦しさをいつも感じて夜間に痛みで起きてしまう。寝起きに痛く、しばらくすると楽になり少しは動けるようになる。夕方に再び痛みで動けなくなる。風呂に入ると楽になるが出た途端、痛みがぶり返す。接骨院で2時間くらい歩くようにいわれ、涙が出るほどつらかったが、足を引きずり歩いたという。

痛みは重苦しさを伴い足が冷たいことにより、バスを待っているとき経絡上に寒邪と湿邪が侵入している。夕方に症状が悪化するのは、ハードな生活を続け、さらに2時間も歩いたことで腎の活力を失い腎虚を起こしている状態である。結果、腰が曲がりひざが伸びなくなっている。

寒湿の邪を追い出すためには「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」を、腎に活力を与えるために「金匱腎気丸(きんきじんきがん)」を服用していただいた。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。