【質 問】27歳女性。高校時代から花粉症で悩んでいます。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、皮膚がひりつくように痛くなり、今年は3から4回くらい風邪も引き、微熱が出たり下がったりしています。
【答 え】

顔が隠れるような深い帽子をかぶり、花粉症用の眼鏡をかけ、マスクをして顔が全く見えない状態で来店されたのは、今から3年前のことである。

花粉症は外傷と内傷に分けられる。外傷とは、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみの段階である。だるさ、発熱、鼻水が黄色くなる、発疹などの症状が出る人は、内傷と呼び体の中に原因がある。外傷から内傷に移行するにはそれほど時間を要しない。3日もあれば十分で、花粉とは無関係に症状は持続し、寝不足や疲れで悪化する人は内傷である。雨が降ると治ってしまう人は外傷に留まっていると判断できる。

この女性の場合はさらに感冒がからみ、内傷を悪化させた状態である。まず、微熱の改善に「柴平湯・さいへいとう」を服用してもらった。去年、今年と内傷の改善、いわゆる体質改善に「半夏白朮天麻湯・はんげびゃくじゅつてんまとう」を11月から服用し、花粉の時期に備えてもらっている。去年と今年は花粉の量は少ないが、春先に帽子をかぶらず外に出られるのが大変うれしいという。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。