【質 問】私は83歳の女性です。3週間前に風邪を引き、今日も病院から抗生物質をもらってきました。透明な鼻水が出て、止まったかと思うと鼻が乾きます。熱とせきはなく、だるくて足の付け根が痛く、やっと歩いています。腰痛は持病ですが、2週間前からひどくなりました。身体全体が薄ら寒く、食欲がありません。
【答 え】

先日の新聞で雅子様も、那須が寒かったうえ取材の疲れが加わり、風邪を引かれたと報道があった。40日もの猛暑が終わるやいなや、10年ぶりに最大級の台風が上陸するなど異常気象に加え、寒暖の差など、季節のめまぐるしい変化に身体が付いていくのがやっとである。

この女性のだるさと腰痛は3日で楽になり、鼻や他の症状も徐々に軽減し、食欲も5日で改善した。

服用したのは「玄武医王湯・げんぶいおうとう」である。これは腎の水分代謝と冷えを改善し、気を補うことで胃腸と身体の疲れを取る。お年寄りと小児、若くても寝不足やハードなスケジュールを続ける人、または風邪がなかなか治らない人に多用する。

また、疲れやすい人や冷え症の人の風邪の予防にも使われる。「大蒜・たいさん」の製剤は安価で好評である。年末が来ると今度は、ウィルス性の風邪がはやる。この時には「柴胡・さいこ」剤を多用することになるであろう。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。