【質 問】30歳代後半より、9月ごろになると指先の皮膚が薄く硬くなり、12月には手のひらと指がガサガサで小水疱ができます。指先がひび割れているのにかゆみが強く、寝ているうちにかいていて朝起きると出血しています。これから洗剤を使うことが多く、ゴム手袋をしていますが、手袋が触れる手首までかぶれてしまいます。もう20年以上悩んでいます。
【答 え】

寒くなると悪化する病気に湿疹があり、このタイプは進行性指掌角皮症と呼ばれている。気温が下がって乾燥してくると、手が冷たく血行が悪くなる。皮膚の脂肪分がなくなったところに機械的刺激、石けん、シャンプー、洗剤などがさらに脂肪分を取り去り、皮膚を養えなくなる。炎症がびどいと患部は熱をもち、硬くなる。水分を発散することができず、表皮と真皮の間に水分がたまったものが小水疱である。これが真皮を圧迫し、かゆみを引き起こす。

この60歳の女性の手を見ると、赤くはれて火照りが全体に及んでいた。手の熱を冷まし、血を補う「温清飲・うんせいいん」を服用してもらった。2週間もすると手のかゆみが楽になり、1ヶ月で皮膚がなめらかになってきたと報告を受けた。その後、再発防止に手の末端まで血行を良くし皮膚に潤いを保つ「当帰飲子・とうきいんし」を長期間続けている。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。