【質 問】36歳のOLです。今年はクールビズということで、仕事場が27度に設定されていますが、帰宅すると足が棒のように重だるく、起きるのがつらく朝はぎりぎりまで寝ています。朝から体がむくみ、例年と同じくつらい毎日です。
【答 え】

汗は出にくく、血色が悪い。だるさがひどいときには血圧は90以下になり、比較的元気なときは110くらい。お茶をよく飲むが小便は普通である。普段から低体温で、時にひどい生理痛に悩まされる。暖かいところが好きで、毎年のようにタイに旅行する。タイのエスニック料理を食べるとしばらく元気になると答える。

もともと彼女は低血圧・冷え症で、エスニック料理のように香辛料で身体を温める料理を食べると、陽気がめぐり元気になる。お茶を飲む割に小便の回数が少なく、水分を飲まないと遠いという。これらは体内の陽気の不足と、水分の停滞を意味する。

この人には、腎を温め水分の停滞を改善する「真武湯・しんぶとう」と、身体の陽気の不足を補う「桂枝人参湯・けいしにんじんとう」を服用してもらった。夜の足のだるさと朝のむくみが楽になり、早起きできるようになったと喜んでいる。冬までこの薬を続けると、陽気がめぐり汗をかく体質になる。生理痛も楽になり、活力ある日々を送れるようになるであろう。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。