【質 問】30代前半で、十二指腸潰瘍(かいよう)をやっている47歳、男性です。1年ほど前から腹が張り苦しく、ふうせんが膨らんでいるようで痛みを感じる時さえあります。腹も多少出はいますが、自分で考えるほどひどくないそうです。半年前からげっぷが止めどなく出るようになり、接客業なので大変困ります。トイレでおならをすると楽になる気がします。
【答 え】

げっぷやおならの臭いがきつく、食後にひどくなる場合は「保和丸・ほわがん」を服用します。食後に特に憎悪しない場合は「龍胆瀉肝湯・りゅうたんしゃかんとう」が良いでしょう。軟便で時に下利をし、温かい物をとると楽な人「理中湯・りちゅうとう」が適します。胃腸が弱く、胃のつかえがひどく、時にげっぷといしょに胃酸が上がってくる症状などを伴う場合は「旋覆花代赭石湯・せんぷくかたいしゃせきとう」が良いでしょう。

この人の場合、げっぷやおならに臭いがなく、便も正常でした。食後わずかに悪化する傾向があり、げっぷは空腹時に勝手に出ます。食欲は正常、特に胃腸も弱くありません。商売は順調ですが、従業員に気を使い、それがストレスになっているという。これはまぎれもない気滞である。ストレスによる気の滞りを改善する「柴胡疏肝湯・さいこそかんとう」で症状はみるみる取れていきました。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。