【質 問】20年前より毎年この時期になると、花粉症で悩まされる58歳の女性です。平成13年から症状が悪化し、ついに一年中花粉症に悩まされる羽目になりました。最初は透明、数日後に黄色くなる鼻水、くしゃみと、息ができないほどの鼻づまり、おまけに口呼吸になるため、のどの痛みがついてきます。その後、風邪に発展し発熱します。風邪が治っても鼻水はやまず、再び同じことを繰り返す始末です。もちろん病院にかかり、たくさんの薬を飲んでいます。何かよい漢方薬をつくってください。
【答 え】

この女性が来店されたのは、平成15年の春でした。2年間一日も休まず花粉症に悩んでいた。花粉症を引き起こす植物は、ススギ花粉が収まりかけたころヒノキの花粉が飛び、その後カモガヤ、ブタクサと年間通して襲ってくる。大量の花粉を浴び、抗体が多く産生されてしまうと、今は発症していなくても何らかのきっかけで出やすくなる。また気がつかないほど軽症でも大量の花粉を吸い込んだり、目から入ることで症状が悪化することもある。

少陽の病を改善する「柴平湯・さいへいとう」を2週間服用してもらうと、2年間の苦しみがうそのように楽になり、その後気を補い水分代謝を改善する「防己黄耆湯・ぼういおうぎとう」をしばらく続けてもらった。3年後も元気で予防している。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。