【質 問】雨の時季から水分をたくさん取るようになっても、小便の出が悪くてたまりませんでした。その頃から足がだるくなり、暑くなった今では体全体が重だるく、朝から手も足もぱんぱんになりました。指輪がはずれなくなり、冷房中でも少し動いただけでべとべとした汗がジワリと出てきます。良い漢方薬の処方をお願いします。
【答 え】

この45歳の女性は、事務職で冷房の中でパソコン入力が仕事である。小便は遠い方でむくみやすい体質であった。つまりもともと膀胱(ぼうこう)の気のめぐりが良くないのである。マスコミや西洋医に水分をたくさん取るように言われ、欲しくもない水分をやたら飲んでいたという。この段階で脾胃において水分の停滞が始まった。人間の体はどこかに滞りがあると、全体の気のめぐりが悪くなり、さらに弱いところがますます悪くなる。そして余った水分が汗として出てきたのであろう。

膀胱の気のめぐりを改善し水分代謝を促す「五苓散・ごれいさん」を服用すると、たちまちむくみが引いていったそうである。ただ一言にむくみといっても、原因によって様々な処方があるので、必ず専門家に相談して下さい。

女性はひどい状態をすぐ脱したが、現在は回数を落として服用している。これは普段の膀胱の気を補って、水分代謝を促しているからである。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。