【質 問】私は47歳の男性です。ここ1年くらい非常に忙しく、1ヶ月くらい前から右のかかとがだんだん痛くなりました。若い時から、足に負担のかかる仕事をしています。今は歩くだけで痛みを感じるようになり、整形外科に行くと、足底骨の一部が出ているので、手術でその出っ張りを削らなければ痛みはとれないといわれました。ほかに、10年前からアルコール性肝炎をわずらっています。
【答 え】

日常の体質について聞いてみると、朝起きたときから疲れていて、寝相が悪く、午後になると体が熱くなる。のどが乾燥し水分をよくとり、たまに寝汗をかく。朝の小便は濃く、たまに茶色に近い。大便は毎日するが硬い便が出る。顔が赤く、目がかすみ、ときにふらつくこともある。

これらの体質は、腎に疲労が蓄積し、身体を冷やす力が低下し、熱をもった状態である。簡単に述べると身体がオーバーヒート状態である。腎の陰分を補い。身体を冷やす能力を増す「知柏地黄丸・ちばくぢおうがん」を服用してもらった。

1ヶ月すると歩くことに支障がなくなり、2ヶ月目には時々かかとの痛みを感じる程度になった。3ヶ月して、だいぶ良くなったとの報告があった。骨の出っ張りもあまり気にならなくなり、体調も良く仕事に集中できるようにもなったとのこと。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。