【質 問】6月にノロウィルスにかかってから調子が悪く、朝起きるころは普通であるが、昼ごろになると手がふるえ身体が熱くなります。目もぼやけ、頭もボーッとしてきます。体温を測ると37度から37・8度の発熱がありますが、病院へ行くとどこも悪くないと言われます。私は78歳の女性です。もう年なのですが、治ることができるのでしょうか。
【答 え】

ウィルス感染等を受けると、若い人でも体力回復には時間がかかる。食欲はあるが好きなものだけを食べて、冷房に入ると気持ちが良く、汗はじわっとしかかけないという。体力不足のために体温調節をする能力を失ってしまっている。

この発熱は漢方で言う「潮熱・ちょうねつ」に入ります。これに加え、今年の暑さが治癒を遅らせている状況です。彼女にはまずエネルギー不足を補い、わずかに清熱剤が加わわっている「清暑益気湯・せいしょえっきとう」を服用してもらった。

1週間もするとだいぶ良いがまだ発熱すると連絡が入った。健康人は身体を温める力と冷やす力をいつも調節している。この冷やす力、つまり陰分の不足があると発熱が始まる。陰分の不足を補う「瓊玉膏・けいぎょくこう」を加えて服用してもらうとかなり元気が出てきたとのこと。現在、瓊玉膏だけを長寿の薬として服用している。


『漢方の相談室』一覧へもどる次へ

※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。