〜薬剤師 青木 敏朗〜

インフルエンザワクチンを接種すれば感染しないのか?

ワクチンの効果は接種後2週間から約5ヶ月とされています。 一度抗体ができても、感染やワクチンなどの抗原刺激がなければ、抗体はなくなりますが免疫の記憶として残ります。

これは、時々患者様と話していて気がついたことですが、ワクチンにより抗体ができても必ずしも感染を防ぐことはできません。

不足、他の感染症から治癒した直後等)であれば、感染してしまうことはあります。

ワクチンの接種は、重症化を防ぐことが目的です。

また小児(13歳未満)の場合は、成人と新型・季節性とも2回接種します、その場合の効果は5~6ヶ月程度ですので、今年のように春以降にも感染拡大がある場合は新型インフルエンザワクチンを接種したほうが良いかもしれません。

インフルエンザワクチンの副反応について

新型インフルエンザワクチン(国産)の製造は季節性インフルエンザワクチンと同じ製法です。現時点では「新型ワクチンの安全性において、重大な懸念がある状況ではない」という判断ですが、結論を出すには症例がまだ少ない状況です。

主な副反応は接種局所の反応で、 接種部位が赤くなる、腫れ、痛みが出ることがありますが2~3日で消失します。 その他に、発熱、頭痛、悪寒、だるさやもまれに起こります。

また、重篤な副反応や後遺症は起こる可能性はあります。その中でショック・アナフィラキシー様症状はワクチン接種後30分以内に生じています。

*季節性および新型インフルエンザワクチン(国産)は鶏卵による培養を行っていますので、 卵アレルギーの人にはじんましん、発疹、口腔のしびれ、アナフィラキシーショックなどが 現れる可能性があります。

海外の新型インフルエンザワクチンについて

海外で製造されたワクチンについては、製造方法が違うこと(国内産は鶏卵による培養、海外は細胞培養による製造)、免疫補助剤(アジュバント)が使用されていること、投与経路が筋肉内(国内産は皮下)であること等、国内のものとは違います。

海外の新型インフルエンザワクチンの輸入については、今後の流行や抗インフルエンザウイルス薬の耐性化などの状況に応じて流動的になると思われます。

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