【質 問】私は44歳の女性です。4年前から突然花粉症になり、それ以来鼻水とせきが続き、スギ花粉が飛び始めると透明な鼻水・鼻づまり、くしゃみ、さらに頭重に悩まされます。今年は快適に過ごしたいのですが、予防する漢方薬はありませんか。
【答 え】

一般的に花粉症は、風で運ばれた花粉が引き起こすアレルギー反応である。原因となる花粉は、鼻の粘膜層に付着した抗原が溶けだして抗体をつくり、鼻粘膜から全身に運ばれ、肥満細胞の表面に結合する。

1度抗体ができると、抗原が粘膜の肥満細胞に結合している抗体にさらに付着し、細胞内部に刺激を伝える。すると肥満細胞から伝達物質が放出され、鼻水・鼻づまりが発現する。ひいては三又神経末端近くを刺激して、くしゃみが出るという。いわゆる過剰な免疫反応に基づくものであり、全身症状が発現し、頭痛・全身倦怠・熱感・耳閉感を引き起こす。

漢方薬で予防するには、この感作を受けた身体の免疫機構を正常にコントロールすることである。その力をつけるために霊芝の作用を必要とする。この方の場合、4年前の身体不良から、スギ花粉に対して免疫機構が過敏になりすぎている。霊芝は免疫機能の根本に働きかけて、本来の健康体をよみがえらせ、それを緩和して体の機能を補う方向に働いてくれる。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。