【質 問】今年の夏は暑くなるのが遅く、冷房も余りかけていないのですが、だるくてしょうがありません。病院で検査をしましたが異常ありませんでした。いまの季節と関係があるのでしょうか。
【答 え】

雨の日が多い今年は、じめじめとうっとうしさが続きました。低気圧が近づくと頭が重く、体がだるくなる。気分が憂うつで、身体の動きが鈍い。古傷が痛み、腰痛神経痛が悪化する。この時期の天候は身体にどのように影響するのであろうか。

漢方では「湿邪」「痰(たん)飲」という概念がある。湿邪とは体外の湿気をいい、急性に発症するものに胃腸炎がある。嘔吐や胃の痛み、下痢、だるさなどが特徴である。代表的な処方は「 香正気散・かっこうしょきさん」で、胃腸に入った湿邪を取り除く効果がある。また「苓姜朮甘湯・りょうきょうじゅつかんとう」という処方は座骨神経痛に用いることが最も多い。特徴は腰から下の重苦しさを伴う痛みである。これも湿邪のいたずらである。

痰飲とは、体内の余った水分を指す。日常の疲れで膵臓が活力を失い、必要以上に水分が溜まった病症をいう。身体全体が重だるく食欲がいまいちで、そうめんやそばが多くなる。このような方は「香砂六君子湯・こうしゃりっくんしとう」や「参苓白朮散・じりょうびゃくじゅつさん」などを服用する。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。