【質 問】出産間もなく手のひらに水泡が出来、いずれ治るだろうと放置していました。それが幾重にも重なり、やがて膿を持ち、皮膚もだんだん硬くなって足の裏にも出来るようになりました。皮膚科に行くと、これは掌蹠(しょうせき)膿疱症で、根気よく治療しましょうといわれました。軟こうと抗生物質を処方してもらい、最初はきれいになり喜んでおりました。ところが再発と緩解を繰り返しながら早1年が過ぎ、今年で娘も3歳になり、私も28歳になりました。良い漢方薬を処方してください。
【答 え】

掌蹠膿疱症は、歯や扁桃炎などの病巣感染、歯科金属のアレルギーなどが原因と考えられています。人によって時間がかかる場合もありますが、この女性も1ヶ月月の服用でつるつるの皮膚がよみがえりました。

患部は淡紅色を呈し、火照っている。これを取り去るには「知柏地黄丸・ちばくぢおうがん」がよいでしょう。患部が真っ赤で火照りがびどい場合は「三物黄 湯・さんもつおうごんとう」を使います。水泡は水分代謝の異常が起きているためです。膿を持つということは患部に熱状があるためで、これらには「龍胆瀉肝湯・りゅうたんしゃかんとう」がよいでしょう。熱がなければ「五苓散・ごれいさん」、熱が激しい場合は「黄連解毒湯・おうれんげどくとう」を使用します。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。