【質 問】ぼくは中学3年の男子です。小学校の頃から鼻づまりがひどく、一日中つまっている状態が続いています。鼻が通ることはまれで、運動をしていると息が苦しくて困ります。
【答 え】

小学校の頃は良く風邪を引いたが、今はほとんど引かないという。朝に鼻づまりがびどく、黄色の鼻水を伴うことがあると慢性副鼻腔炎であり「半夏白朮天麻湯・はんげびゃくじゅつてんまとう」を使用する。この方の場合、鼻水を伴わない。

鼻づまりでよく使われている処方の一つに「辛夷清肺湯・しんいせいはいとう」がある。この処方は肺に熱がこもって鼻水も多く、粘りがあって鼻の粘膜に痛みや熱感を感じ、臭いもしなくなった時に使用する。鼻茸にも応用することがある。

また「葛根湯加川?辛夷・かっこんとうかせんきゅうしんい」という有吊な処方がある。項背がこわばり、やや粘りはするが白っぽい鼻水で、鼻の粘膜に熱感はないものに使用する。だが、いずれもこの方には当てはまらない。

手はわずかに冷えやすく、小さい頃は食欲も細かったという。脾胃の陽気の運行はまだ確立しておらず、水分のめぐりが悪く、鼻づまりを起こしていると考えた。「苓桂朮甘湯・りょうけいじゅつかんとう」を朊用すると1ヶ月で鼻が通るようになり、快適になったと報告があった。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。