〜薬剤師 青木 敏朗〜

はじめに

現在、新型インフルエンザが流行しており、また季節性あるいは新型インフルエンザワクチンの接種が始まっております。
 新型インフルエンザワクチンにつきましては、順次優先順位の高い方から接種が始まっております。
 また新型インフルエンザワクチンにつきましては、希望される方に混乱を招いているようです。
 これは、春から日本でも感染者が報告されて、すぐに製造に入ったのですが、半年しか時間がなかったため予定量を生産できていないためです。

現在流行している新型インフルエンザウイルスは、多くの方に免疫がなく感染力は強いのですが、弱毒性なので多くの場合、感染しても軽症のまま回復しています。
 市民の皆様はご心配だと思いますが、国産ワクチンメーカーが順次生産しており、タミフル・リレンザという抗インフルエンザウイルス薬も備蓄されております。どうか、混乱の無いようお願いいたします。

今回は、その新型インフルエンザウイルスとワクチンについて簡単にご説明したいと思います。

インフルエンザウイルスの型と症状

まず、インフルエンザウイルスの型についてですが、内部構造の分離したRNAが8種類のA型、B型、7種類のC型に分類され、それぞれ臨床症状が違います。

●A型:症状は、突然の38度以上の高熱や強い悪寒、咳(せき)、のどの痛み、倦怠感(だるさ)鼻みず、鼻づまりや頭痛などです。

A型(新型):新型インフルエンザについては、上記のほか、一部に吐き気や下痢といった胃腸の症状を訴える方もいらっしゃいます。また季節性の(H1N1)ウイルスよりも、肺での増殖性が高く、より重症の肺炎を起こすことが報告されております。
 また、A型に分類されるインフルエンザウイルスの特徴として、変異を起こしやすく、通常1度感染すると、抗体ができて同じインフルエンザウイルスが体内に入っても感染しないか、症状が軽くすむのですが、A型はシーズン中でも変異をするので1回目と同じように感染してしまうことも有ります。

●B型:症状はA型と同様でそのほかに消化器症状、筋炎なども見られます。B型はあまり変異をしませんので、A型のようにシーズン中に2度感染することは少ないです。

●C型:A型やB型に比べると症状・感染力も弱く、免疫を持っていることが多いのでワクチンの対象になっていません。性状的にはA型、B型は共通した性質を持ちますが、C型は多くの点で異なります。


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