インフルエンザは突然の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強いのが特徴で、合わせてのどの痛み、鼻汁、咳などの症状も現れます。さらに気管支炎、肺炎などの二次的疾患を併発し、重症になることもあります。呼吸器や心臓の病気を持つ人は悪化につながり、高齢者や小さな子どもなどでは死に至る原因となることもあります。

8歳の女性は、インフルエンザに罹った後一カ月経っても、だるさと空咳が続き、始終咳払いをしていました。食事は食べるものの、時間をかけて嫌そうに食べ、便はいつもよりゆるめであるという。そこで脾の気を補う「参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)」と、肺を温める「四逆湯(しぎゃくとう)」を合わせて服用してもらったところ、一週間すると改善が見られました。漢方薬を止めると咳が出てくるとのことですが、服用を続ければ徐々に改善するでしょう。


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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。